建築工事業
総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事です。
電気工事業
送電線、配電盤、電灯、電力機器などの電気工作物の工事を行う専門工事です。
塗装工事業
塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事です。
とび・土工工事業
足場組立、重量物の運搬・配置、解体、くい打ち、コンクリートによる工作物を築造する工事です。
石工事業
石材の加工や積み方により工作物を築造したり、その工作物を石材を取り付ける工事です。
鋼構造物工事業
形鋼、鋼板等の鋼材加工や組み立てにより工作物を築造する工事です。
舗装工事業
道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事です。
しゅんせつ工事業
港湾・河川・運河などの底面を浚って、土砂などを取り去る土木工事です。
アクア・シェルパワー工法
宮城県は国内で唯一、塩釜、石巻、気仙沼、と特定第3種漁港を複数有する県ということもあり、漁業が大変盛んな地域です。カキ、ホタテの養殖においても日本有数の水揚げ量を誇ります。しかしながら盛んであるがゆえ、身を除いた殻の処理も悩みどころでありました。
当社ではかねてより硬質で浄化能力のあるとされていた貝殻に着目し、同時期に進めておりました雨水利用技術クロスウェーブ工法と連携するシステムを開発。 雨水利用を促進するホタテ貝殻浄化貯水システム【アクアシェルパワー工法】として特許を取得いたしました。
これまで宮城県や岩手県など東北地方を中心に施工実績を伸ばし、『3Rを促進する』『災害備蓄用水としても優れている』と好評をいただいております。
工法概要
01.掘削・床掘状況
貯留槽設計規模から作業幅を確保し床掘します。地盤が著しく緩い場合や湧水のある現場では、コンクリートを打設する場合もあります。
この現場では地盤が非常に好ましい状態でした。設計どおりに砕石転圧で基礎を作りました。
02.底部保護マット1層目
4.0mm厚程度の長繊維不織布を敷設します。
遮水シートを強固に保護するため、サンドするように2重敷設しました。
引張強度に優れ、耐久性の高い素材を採用しました。2mロットのマットをガストーチによる熱融着にて接合していきます。
03.底部保護マットの融着
保護マットをガストーチにて融着していきます。
接合ラップ長は100mm以上を保持します。
04.底部保護マット敷設完了
底部の保護マット(1層目)の融着が完了しました。
貯留槽の背が1m以上ある場合は側面部分のマットを写真のように法面に押さえておくことで施工性を高めます。
05.遮水シートの敷設
貯留機能の保持の内、最も重要な遮水シート工になります。
当社では施工性や価格よりも耐久性と信頼性を重要視しております。地下埋設の構造物になりますので万が一を予防するためです。
この現場ではEVA系(酢酸ビニル系)の遮水シートを使用しました。
06.遮水シートの接合
水を溜める貯留槽ですので、遮水シートを縫い合わせたりはできません。熱による融圧着が基本になります。
融圧着がダブルになる自走式融着機を使用しました。
工程01.の床堀がキレイだとシート融着作業も捗ります。
07.底部遮水シート工完了
遮水シート工完了です。
貯留槽内部に集水マスなどがある場合は加工が非常に難しくなります。防水職人の腕の見せ所とも言えますが、付帯設備は貯留槽外部に設けるのが一般的です。
この現場では貯留槽の内部にマスが7基ありました。
08.内部保護マットの敷設
保護マット+遮水シート+保護マットと3層になるように敷設していきます。
特に底部と側面部においては埋め戻しの工程など、竣工までに荷重がかかる恐れがあります。
念入りに保護マット工を行います。
09.内部保護マットの融着
外部保護マットと同様に内部保護マットも熱融着していきます。
遮水シートに熱が伝わらないようにしながら慎重に作業していきます。
10.内部保護マット敷設完了
内部の保護マットの敷設が完了しました。
11.貝殻充填マスの設置
浄化材となるホタテ貝殻が入る浸透マスを組立てて行きます。
付帯設備の設置には現場打設の方法もありますが、当社では二次製品を多用します。
工事の中で掘削箇所をなるべく早く埋め戻せるようにするのと、品質管理の面でも優れているからです。
12.貝殻充填マスの設置
マスの下半分は透水性の無いものを使用しています。透水性の無いマスの箇所に滞水する部分は防火用水として機能します。
マスの上半分が、ホタテ貝殻を練りこんだ透水性のマスになります。この部分に焼成したホタテ貝殻浄化材を充填し、上位レベルの水をトイレ用水などに使用します。
13.貯留材の組立
クロスウェーブを組立てます。現在クロスウェーブには幾つかのバリエーションがありますが、設計荷重強度や貯留槽形状を考慮して材料を選定します。
歩掛で言えば5人から10人で100m3の貯留槽組立が1日となります。非常に高速での作業が可能です。
14.貯留槽組立完了
クロスウェーブを組立て、上面に天板となるスペーサーを嵌め込んだ状態で完了となります。
クロスウェーブはピンなどの接合部材を使用しませんので、誤って貯留槽内部に落とす心配もありません。
耐荷重性能もT-25性能、耐震性能もレベル2をクリアしています。
15.側面保護マット敷設
クロスウェーブ貯留槽側面とマス側面に保護マットを融着していきます。
特にマスの出隅は直角になっているので念入りに保護マットを当てていきます。
16.側面保護マット敷設完了
貯留槽側面に内部保護マットを固定完了です。
保護マットは透水性能も抜群に高いため、開口部にフィルタとして塞ぎこんだままにする場合もあります。この施工では開口部分を切り取る加工にしました。
17.遮水シート工
遮水シートを立ち上げ、貯留槽周囲全てを綴じ込みます。
折り曲げて接着する固定方法を採ります。
折り曲げてラップする部分はすべて融着固定します。
18.遮水シートの仕上げ加工
遮水シートとマスの取り合いはアルミなどの金物で押さえます。
付帯設備の部分全てを加工します。
19.遮水シート工完了
遮水工完了です。
マスの周囲と、開口部分の全てをバーで打ち込み固定します。
20.周囲保護マット工
外側になる保護マットを敷設していきます。
底部の保護マットの敷設時に耳を残しておき、接合していきます。
21.貯留槽工完了
貯留槽工の最終工程となる保護マット工が完了です。
ここまで工程が完了すれば、マスの蓋位置までの埋め戻しが可能になります。
22.貝殻浄化材の充填
焼成したホタテ貝殻浄化材を、ストレッチファイバー製の特殊ネットに充填します。
写真ではおよそ500kgの貝殻を充填しているところになります。
この現場では浸透マスが4基ですのでおよそ2tの貝殻を浄化材として充填しました。
23.貝殻浄化材の設置
特殊ネットに充填した貝殻を設置します。
貝殻は酸性雨と中和反応し長い年月の内には減少します。
減少した貝殻は定期的にメンテナンスし補充をします。
ex.竣工後
竣工後3年経過した状況です。
現在は小学校の職員駐車場となっています。
非常に見えづらいですが左奥にある赤いマンホールは防火用水の取水蓋です。手前の4枚のマンホールがホタテ貝殻が充填されているマスになります。
施工実績
- 宮城県 2000年~ 計 5箇所
- 岩手県 2000年~ 計 3箇所
- 累計 200m3+他現在施工中
レイン・ストック工法
特許工法:2999465
ホタテ貝殻を構造体として用いた貯水槽です。農地の暗渠材や荷重の少ない設置場所でご利用いただけます。